1.前回のあらすじ

1 前回、地区大会決勝で阿知賀女子と激闘を繰り広げた末に優勝し、全国行きを決めた晩成高校。……全国行きを決めたことにしておいてください。

 しかし、地区大会はあくまで全国大会の予選に過ぎない。

 晩成高校は全国大会の魑魅魍魎共をなぎ倒し、全国大会でどれだけの成績を残すことが出来るのか?

 今回は「晩成高校は全国大会でどれだけの成績を残せるか」をお題にさせていただきたいと思います。

 ※晩成高校だけでは寂しいので応援を呼びました


2.晩成高校の意気込み

やえ「さあついに全国大会にやってきたぞ!」

淡「きたぞ!」

由華「……ちょっと、ちょっと待って下さい」

由華「何で白糸台の大星淡がいるんですか?」

やえ「? 何を言ってる、大星は白糸台じゃなくてうちの一年生じゃないか」

淡「私は実力からいえば晩成高校100年生だよ!」ババーン

由華「どういうことなの……」

 ※大星淡は晩成高校に進学しました


3.その頃の白糸台高校

照(おかし……)

菫「おい、照。淡がどこ行ったか知らないか?」

照「淡……? 誰それ?」

衣「スミレの伴侶か何かか?」

菫「……ちょっと、ちょっと待て」

菫「何で龍門渕高校の天江衣がいるんだ?」

照「? 何言ってるの、衣は白糸台の二年生だよ?」

衣「衣は白糸台の特待生だぞ!」

菫「どういうことなの……」

 ※代わりに天江衣が白糸台高校に来ました


4.さらにその頃の千里山女子

泉「先輩、何か飲まれます?」

宥「あったかいのがいいかなぁ」

泉「……暑くないんですか?」

宥「むしろ泉ちゃんの格好、すごく寒そうだよ……変だよ」

泉「いま真夏ですからね!?」

 ※ついでに松実宥はなぜか千里山女子に進学していました


5.状況

【基本ルール】
 咲-Saki-全国大会と同じ団体戦トーナメント。トーナメントの組み合わせとオーダーは基本的に本編と同じとする。
 晩成高校は阿知賀女子が出場していた場合の組み合わせからスタート。
 
【勝利条件】
 特に無し

【オーダー変更点】
①晩成高校
 晩成高校は大星淡をレギュラーとして使うことができる。他の晩成高校の選手もオーダー変更は自由とし、それぞれ先鋒、次鋒、中堅、副将、大将のどこにオーダーしてもいいものとする。

②白糸台高校
 白糸台高校の大将は天江衣とする。

③千里山女子高校
 千里山女子高校の次鋒は松実宥に変更とする。
 同校の二条泉は控えメンバーに入っているものとする。

【その他の条件】
①月齢に関して
 インターハイ団体戦初日の月齢は新月とする。


 上記の状況であれば、晩成高校は何回戦まで行けると思いますか?




6.結果

1 2

 東京で迎えた全国大会準決勝。

 先鋒・宮永照が大量得点、千里山も安定した成績を残し、晩成高校は準決勝敗退した。

 東京まで来てくれたファンのため息、どこからか聞こえる「来年も地区予選は突破できるな」の声。

 無言で帰り始める選手たちの中、晩成高校先鋒の小走やえは独り控え室で泣いていた。

 地区大会で手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できるチームメイト……。

 それを今の晩成高校で得ることは殆ど不可能ではないけどとりあえずここでは不可能としておく。

「どうすればいいんだ……」小走は悔し涙を流し続けた。

 どれくらい経ったろうか、小走ははっと目覚めた。

 どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した。

「やれやれ、帰ってブログ更新しなくちゃな」小走は苦笑しながら呟いた。

 立ち上がって伸びをした時、小走はふと気づいた。


「あれ……? お客さんがいる……?」

 控え室から飛び出した小走が目にしたのは、会場外まで埋め尽くさんばかりの観客だった。

 千切れそうなほど旗が振られ、地鳴りのように晩成高校の校歌が響いていた。

 どういうことか分からずに呆然とする小走の背中に、聞き覚えのある声が聞こえたきた。

「やえ、先鋒戦、先に行くから」声の方に振り返った小走は目を疑った。

「み……宮永照?」「どったの小走先輩、お昼寝でもしてたの?」

「お、大星淡」「どうしました小走先輩、よだれ出てますよ?」

「み、宮永咲……」小走は半分パニックになりながらレギュラーをチェックした。

 先鋒:宮永照 次鋒:小走やえ 中堅:大星淡 副将:宮永咲 大将:池田ァ!

 暫時、唖然としていた小走だったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった。

「勝てる……勝てるんだ!」

 照からバトンを受け取り、対局室へ全力疾走する小走、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった……。


 翌日、晩成高校の部室で昼寝していたらウッカリ翌朝まで寝ていた小走が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った。